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南部
靖之
株式会社パソナ 代表取締役社長 兼 グループ代表
ITによって私たちの生活は非常に便利になりました。
「雇用」という面から見ても、IT化によって、より多くの人が、より多くの情報の中から、より自分に合った仕事を見つけることができるようになりました。また、インターネットを活用することで、これまで仕事に就くことが難しかった子育て中の女性やハンディキャップのある人の就労機会も拡大しています。
しかしその反面、今はまだ便利さだけが先行しており、ITには人間がもともと持っている「良さ」を失わせてしまう危うさも否めません。最近の痛ましい事件の多くにインターネットや携帯メールが関連していることもそれを象徴的に表わしていると思うのですが、現状のまま放置すれば、IT化の進行が人間の「知」と「情」のバランスを崩してゆく危険性もあると思います。
戦後「三種の神器」と呼ばれた家電が主婦の時間を家事労働から解放したように、今後ITは私たちの生活をもっともっと便利なものにしていくでしょう。ITの時代はこれからです。しかしその時代を真に豊かなものとするためには、「人間味のあるIT」というものを考えていかなければならないと思います。ハードやソフトだけではなく、それを駆使する「人間性」や「精神性」、「倫理観」といったものが非常に大切になってくると思います。ITの発展のためには、技術よりも、むしろIT人材こそが大切になってくると私は考えます。
そこでこのたび、「すべての背景には人がいる。人がITを動かす」という理念の下、社会や企業経営におけるITの果たすべき役割、またそのプランニングおよびマネジメントの最高責任者である「CIO」の役割を活発に議論し、考える場として「日本CIO協会」を発足させていただく運びとなりました。この協会活動を通じて、皆さまとともに「真に豊かなIT社会づくり」に貢献していきたいと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。 |